2009 Fiscal Year Annual Research Report
光分子センサー・メラノプシンの神経細胞種依存的な活性化機構のモーダルシフトと応用
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
21026030
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
小泉 周 生理学研究所, 細胞器官研究系, 准教授 (10296551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 謙二 生理学研究所, 分子生理研究系, 助教 (30329700)
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Keywords | 脳・神経 / 神経科学 / 生理学 / 脳神経疾患 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究は、一部の網膜神経節細胞に発現している光分子センサーであるメラノプシンを他の神経細胞等に遺伝子導入させ、その神経細胞の機能を変化(モーダルシフト)させ、神経種特異的な発現パターンや光による活性化機構を明らかにすることを目的とした研究である。網膜には、視細胞におけるロドプシンと呼ばれる光感受性タンパク質のほか、一部の網膜神経節細胞にメラノプシンと呼ばれる7回膜貫通型の光受容センサーが発現している。このメラノプシンはGタンパク質と共役し、細胞内のシグナル伝達系を介して、神経細胞を脱分極させることが知られている。このメラノプシンを他の神経細胞に異所性に発現させれば、その神経細胞の機能を"モーダルシフト"させ、光によって脱分極させることができるものと期待される。平成21年度においては、野生型のメラノプシンや、遺伝子改変したメラノプシンを網膜組織に異所性に発現させるためのげっ歯類成熟網膜組織培養法と遺伝子銃による遺伝子導入法を確立させた。通常、おとなの哺乳類の成熟した神経回路を持つ網膜は培養が困難であるとされていたが、研究代表者が作成したインターフェース・チェンバーをロータリーシェーカーで揺すり続ける培養法で、最大4日まで網膜を培養することができるようになった。この培養法を用いて、遺伝子銃によるEGFPプラスミドやメラノプシンの異所性導入にも成功した。また、同時に、メラノプシンを異所性に発現するBitetO-OPN4遺伝子改変マウスの作成も開始した。
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