2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物の発生分化におけるuORFによる翻訳制御機構
Publicly Offered Research
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
21027001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
尾之内 均 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 准教授 (50322839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 哲 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (20164105)
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Keywords | 翻訳制御 / uORF / 新生ペプチド / 選択的スプライシング / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
維管束のパターン形成を制御すLONSOME HIGHWAY(LHW)遺伝子は、選択的スプライシングによって異なるuORF配列を持つ2種類のsplice variantを生じ、一方のsplice variantではuORFにコードされるペプチドによって強い翻訳抑制が起こる。今年度は、この選択的スプライシングがLHWの組織特異的発現に関与する可能性を、蛍光イメージング解析により検討した。その結果、根端分裂組織の静止中心において、翻訳抑制が弱いタイプのsplice variantを増加させるような、細胞型特異的な選択的スプライシングが観察された。このことから、LHWの発現がuORFペプチドによる翻訳抑制と選択的スプライシングの連携によって制御されることが示唆された。 また、uORFペプチドにより制御される遺伝子をさらに探索し、その中から発生分化に関わる遺伝子として、ARABIDOPSIS THALIANA HOMEOBOX 1(ATHB-1)遺伝子を同定した。ATHB-1はホメオドメインを持つ転写活性化因子であり、葉の形成に関与することが示唆されている[Aoyama et al.(1995)Plant cell, 7:1773-1785]。ATHB-1遺伝子のuORFのアミノ酸配列を変化させた場合に下流のレポター遺伝子の発現の上昇がみられたことから、ATHB-1 uORFペプチドには下流ORFの翻訳を抑制する働きがあることが示された。
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Research Products
(3 results)