Research Abstract |
植物におけるオルガネラ動態の制御機構の多様性についての知見を得るため,ゼニゴケにおけるアクチン繊維の動態解析もおこなった.Lifeactという新しいアクチン可視化プローブを植物に初めて導入し,これが植物のアクチン繊維の可視化に有用であることを示した,このプローブを用いた観察により,シロイヌナズナの根毛先端におけるアクチンの動態を,高解像度に観察することに成功した.また,Lifeact-Venusをゼニゴケに導入することにより,アクチン繊維束の滑り,分枝,集合といった,これまで植物で報告されていないユニークなアクチン動態を観察することに成功した.続いて,植物にユニークな膜融合装置であるVAMP727の機能をバイオイメージング技術を駆使して解析した.VAMP727と,細胞膜上で複合体を形成するパートナーであるSYP121を異なる蛍光タンパク質を用いて二重標識し,その挙動を全反射顕微鏡を用いて解析した.その結果,VAMP727がSYP121と細胞膜上で確かに共局在すること,両者の間でFRET (Fluorescent resonance energy transfer)がおこることを確認した.さらに,VAMP727とSYP121の複合体形成を制御する可能性のある植物特異的RAB GTPase, ARA6の細胞膜上における挙動についても観察し,ARA6がVAMP727, SYP121の双方と細胞膜上で共局在することを突き止めた.
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