2009 Fiscal Year Annual Research Report
維管束メリステムからの細胞運命決定機構
Publicly Offered Research
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
21027031
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
出村 拓 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 教授 (40272009)
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Keywords | VND転写因子 / 維管束 / 細胞運命 / 転写制御 / サプレッサー変異 |
Research Abstract |
本研究では、VND6とVND7を中心として、VNDファミリーの発現と機能の制御機構を詳細に解析することで、維管束メリステムからの細胞運命の決定機構を明らかにすることを目的とした。 VNDファミリー遺伝子群の発現制御メカニズムを明らかにすることを目的として、パーティクルガンを用いた一過的遺伝子導入解析により、VNDファミリー遺伝子の発現を制御する転写因子の探索を行った。本年度はまず、全てのVNDファミリー転写因子がVND7の発現を正に制御することを確認した。さらに、他のVND遺伝子の発現をVNDファミリーが制御するかどうかを検証したところ、VNDファミリー内でのポジティブフィードバック制御の存在が示唆された。また、前形成層に特異的なVND1の発現はいずれのVND遺伝子によっても誘導されないことが示され、VND1がVNDファミリー遺伝子の発現制御の最上流に位置する可能性が示唆された。つぎに、道管要素の分化過程で発現する約50種類の転写因子の中から、VND7の発現を上昇させる転写因子のスクリーニングを行ったところ、VND7発現の正の制御因子としてすでに報告されているASL18/LBS30、ASL20/LBD18(Soyano et al.Plant Cell 2008)に加え、新たにGATAドメインを持つ転写因子がVND7の発現を有意に誘導することが明らかとなった。現在、このGATA転写因子の発現様式と機能の解析を進めている。VND7の過剰発現による異所的な道管要素分化を抑制するサプレッサー変異体のスクリーニングについては、現時点で単離した29ラインのうち、バッククロスが完了した11ラインについて、変異のホモ化、表現型解析、マッピングを順次進めている。
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