2009 Fiscal Year Annual Research Report
TFL1による茎頂メリステムの発生、維持システムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
21027034
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Research Institution | Research Institute for Biological Science Okayama |
Principal Investigator |
後藤 弘爾 Research Institute for Biological Science Okayama, 生物科学研究所, 専門研究員 (00251489)
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Keywords | 茎頂 / メリステム / 植物の発生 / 花序 / 形態形成 / 発現調節 / 花成 / 転写因子 |
Research Abstract |
TFL1の発現解析 昨年度までの研究結果から、TFL1の発現制御は5^'プロモーターのみならず、イントロンおよび3^'下流領域によって制御されていることが明らかとなった。今年度は、これらのシス領域をさらに狭めると共に、各領域がどのように時期的空間的発現調節に関与しているかを明らかにするため、様々なタイプのデリーション遺伝子を、TFL1コーディング領域、レポーター遺伝子(GFP、GUS)と連結し、表現型を観察した。その結果、花序形態への影響と花成への影響を分離できるようなシス領域の区別はできなかった。 TFL1の機能解析 FTとのアナロジーから、TFL1もFDタイプのbZIP転写因子と相互作用し、何らかの下流遺伝子の転写を変化、おそらくは転写抑制しているとの仮説を立てた。そこで、TFL1に転写活性化ドメイン、抑制ドメインを融合させ、植物体内で発現させたときの表現型や遺伝子の発現を調べた。 転写抑制化ドメイン(SRDX)を融合したTFL1の過剰発現植物体は、TFL1の過剰発現植物体と同様、遅咲きの表現型を示した。一方、転写活性化ドメイン(VP16)を融合したTFL1の過剰発現植物体は早咲き、ターミナルフラワーといったtfll突然変異体様の表現型を示した。これは、TFL1の機能は転写抑制化ドメインの融合によっては阻害されないが、転写活性化ドメインの融合により阻害されるためであると考えられる。即ち、本来TFL1は転写の抑制に働くと考えられる。 またTFL1タンパク質は、FT同様FDとの結合能を有することや、転写活性化ドメインを融合したTFL1の過剰発現植物体で、AP1遺伝子の発現が早期に誘導されることも明らかとなった。このことから、TFL1はFTと共通のターゲット遺伝子を転写制御している可能性が示唆された。
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