2010 Fiscal Year Annual Research Report
マウス生殖細胞におけるNanog遺伝子のリプログラミング機能
Publicly Offered Research
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
21028009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
多田 高 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (30188247)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 発現制御 / 発生・分化 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究課題は、1)Nanog遺伝子機能を欠損した生殖細胞の運命を明らかにする、2)Nanog遺伝子機能の欠損によってもたらされる分子ネットワークの異常を明らかにする、3)Nanog遺伝子の生殖細胞でのリプログラミングに関わる働きを明らかにする、事を目的とした。研究班員とトランスジェニックマウスの分与を受け、更に単一細胞cDNAライブラリー作製に関して共同研究を進めた。その結果、生殖細胞特異的なNanog機能の欠損に成功した。Nanog遺伝子機能の欠損により1)初期生殖細胞が死滅する、2)生殖細胞の死滅は細胞死(アポトーシス)による、3)Nanog下流の500個以上の遺伝子の発現が劇的に変化し生殖細胞特定的分子ネットワークが崩壊する事が明らかになった(Yamaguchi et al. (2009) in Development)。これに加えて、リプログラミング機構を解析する目的で、人工多能性幹(iPS ; induced pluripotent stem)細胞の樹立に関わるリプログラム因子とNanog遺伝子の発現を解析した(Nagata et al. (2009) in Genes Cells ; Yamaguchi et al. (2011) in Stem Cell Research)。以上の結果は、マウス胚生殖細胞に特異的な生体内遺伝子ノックダウンという世界で初めての手法を用いて、未分化性維持鍵因子Nanogの機能を明らかにした研究として注目されている。加えて、iPS細胞のエピジェノム解析の基盤作製を行った。
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Research Products
(5 results)