2009 Fiscal Year Annual Research Report
パキテンチェックポイントにおけるヒストン修飾の機能
Publicly Offered Research
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
21028012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 美紀 Osaka University, 蛋白質研究所, 准教授 (80335687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 彰 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00252578)
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Keywords | 減数分裂期 / パキテン期 / ヒストン修飾 |
Research Abstract |
生殖細胞の大きな目的は次世代へのゲノム情報を伝える1倍体の配偶子を作ることである。配偶子は減数分裂を経て形成されるが、中でも減数第1分裂では組換えが高頻度で起き、染色体もシナプトネマ複合体(SC)を形成することで、相同染色体の分配を促進している。近年SCが出来るパキテン期が減数分裂期の細胞周期の進行に大切な役割を果たすことが注目されている。特にパキテン期は染色体形態形成、組換えの状態をモニターし、減数分裂期の進行を保証するチェックポイントがある。しかし、その実体についてはほとんど分かっていない。さらに興味深いのがこのcheckpointにヒストンH3 K79(ほ乳類ではK76)のメチル酵素Dot1が関わることである。パキテンチェックポイントによって減数分裂期を停止することがわかっている変異株(dmc1変異株)において、さらにDOT1を欠損させたところ、以前の報告通りdmc1変異株のパキテンチェックポイントの部分的抑制が観察された。そのときのSC形成を観察したところ、SCの形成に欠損を示すことがわかった。また、同時に組換えタンパク質(Rad51)と紡錘体の観察を行ったところ、組換えが終了していない状態で紡錘体が伸長する細胞が観察された。この結果は、dot1変異によってSC伸長が阻害されると同時に組換えと減数第一分裂期進行の同調性が失われたことを意味する。それらの欠損はヒストン修飾が引き金となるのか、そうであるならば、ヒストン修飾のSC形成過程における機能について明らかにする。
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Research Products
(4 results)