2010 Fiscal Year Annual Research Report
生殖細胞特異的クロマチン修飾因子の機能解析
Publicly Offered Research
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
21028015
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
束田 裕一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (90444801)
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Keywords | エピジェネティクス / クロマチン / 生殖細胞 / ゲノム / 酵素 |
Research Abstract |
哺乳類受精卵ではDNAのメチル化やヒストンの翻訳後修飾の変化を含むクロマチンの構造変化による細胞核のリプログラミングが起こる、このリプログラミングは卵母細胞に発現している母性因子により担われている可能性が高い。研究代表者らは、進化的に保存されたヒストン脱メチル化酵素ファミリーとしてJmjCドメイン含有タンパク質ファミリーを世界で初めて発見し、このJmjCドメイン含有タンパク質ファミリーの中に卵母細胞特異的な発現パターンを示す分子が存在することを見出した。そこで本研究課題では、この卵母細胞特異的な発現パターンを示すJmjCドメイン含有タンパク質のヒストン脱メチル化酵素としての基質特異性を決定し、「細胞運命の決定」が起こるマウス卵母細胞の分化過程及び「リプログラミング」が起こるマウス受精卵の初期発生における機能解析を行うことで、細胞運命の決定・遺伝情報のリプログラミングにおけるヒストンのメチル化の機能及び制御機構を解明することを目的とする。 当該年度は、昨年度の解析により基質特異性の明らかになった卵母細胞特異的ヒストン脱メチル化酵素の卵母細胞及び初期胚における機能を解析するためこの酵素を欠損した卵母細胞の作成を以下の方法で行った。 (1)コンベンショナルノックアウト、及び胎生致死と組織特異性を考慮した卵母細胞特異的なプロモーターZP3による卵母細胞特異的コンディショナルノックアウトマウスの作成(遺伝子のノックアウト)。 (2)野生型マウスの受精卵へのdsRNAのマイクロインジェクション(RNAi効果)。 (3)野生型マウスの受精卵への酵素活性欠損型mRNAのマイクロインジェクション(ドミナントネガティブ効果)。 上記の試みの結果、(2)と(3)の方法では酵素欠損卵母細胞の作成には至らなかったが、(1)の方法により酵素欠損卵母細胞の作成に成功した。
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