2009 Fiscal Year Annual Research Report
マウス生殖前駆細胞形成に関わる分子機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
21028016
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田中 聡 Kumamoto University, 発生医学研究所, 助教 (10321944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 泰華 熊本大学, 発生医学研究所, 研究員 (90448522)
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Keywords | 生細胞 / WNTシグナル / BMPシグナル / Dullard遺伝子 / 全胚培養系 / マウス / phosphatase / ES細胞 |
Research Abstract |
マウス生殖系列細胞の成立は、一般的にBMPシグナルに依存した分子カスケードによりPrdm1/Blimp1が始原生殖細胞(primordial germ cells, PGC)の前駆細胞で活性化されることに始まると考えられている。しかし、我々のグループがXenopusより単離、そのノックアウトマウスを作成したDullard遺伝子の欠損(Dullard^<-/->)マウス胚では、BMPシグナル非依存的に生殖細胞形成異常が生じていた(未発表)。Dullard^<-/->マウス胚では、Prdm1陽性の生殖前駆細胞集団による細胞塊が形成されず、その結果、PGCが欠損する。Dullardはphosphatase活性を持つ事から、Dullard^<-/->ES細胞の生殖細胞への分化系を用いて、生殖細胞形成にその酵素活性が必須であるかを調べた。Dullard^<-/->ES細胞は、in vitroで分化させた場合においても、ddx4/mvhを発現する生殖系列への分化は阻害されていた。しかし、野生型のDullardを発現させる事でその表現型をrescueすることは出来るが、phosphatase活性を失活させた変異型Dullardでは、rescueされなかったことから、Dullardのphosphatase活性が生殖細胞形成に必須な役割を担っている事が明らかとなった。また、このDullard^<-/->マウス胚では、canonical Wntシグナルの活性が低下していること、及び、予備的な実験からは、Dullard^<-/->胚をWnt3a存在下で培養すると、少なくともPrdm1遺伝子の発現減弱が回復する傾向が観察された。
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