2009 Fiscal Year Annual Research Report
Piwi-piRNA複合体による生殖幹細胞維持とクロマチン制御の分子接点
Publicly Offered Research
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
21028019
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
齋藤 都暁 Keio University, 医学部, 講師 (30423396)
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Keywords | Piwi / クロマチン / piRNA / ショウジョウバエ / 培養細胞 / HP1 / RNAi / レトロトランスポゾン |
Research Abstract |
Piwiは核に局在し、エピジェネティックな制御を介してショウジョウバエの生殖幹細胞の維持に機能すると推測されている。平成21年度に、ショウジョウバエ卵巣の体細胞由来培養細胞(OSC)においてRNAi法を確立し、クロモドメイン蛋白質の一つであるHPlaのノックダウンを行った。その結果、コントロールに比較してレトロトランスポゾンの発現が数百倍上昇することを見いだした。これはPiwiのノックダウン実験においても認められた現象であることから、HPlaとPiwiは共にレトロトランスポゾンの発現抑制に関与することが示唆された。しかし、HPlaに対する抗体を用いて免疫沈降実験を行った結果、Piwiとの相互作用は認められなかった。従って、PiwiはHPla以外の因子、例えばヒストン修飾因子などと相互作用し、機能する可能性が考えられた。これまで、PiwiはHPlaと直接結合し機能するというモデルが提示されているが、本研究は、HPla以外の因子が関与する可能性を示唆している。そこでPiwi特異的モノクローナル抗体を用いて免疫沈降実験を行い、相互作用蛋白質の単離・同定を試みた。その結果、質量分析によりOSCにおいていくつかのPiwi相互作用因子を同定した。相互作用因子の一つであるCG7878は、マウス精巣で特異的に発現するDEAD-box型ヘリケースのショウジョウバエオルトログであり、Piwiの機能発現への関与が期待される。
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