2010 Fiscal Year Annual Research Report
Piwi-piRNA複合体による生殖幹細胞維持とクロマチン制御の分子接点
Publicly Offered Research
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
21028019
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
齋藤 都暁 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30423396)
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Keywords | Piwi / クロマチン / piRNA / ショウジョウバエ / 培養細胞 / エピジェネティクス / RNAi / レトロトランスポゾン |
Research Abstract |
Piwiは核に局在し、エピジェネティックな制御を介してレトロトランスポゾンの発現抑制に機能すると推測されている。ショウジョウバエ卵巣の体細胞由来培養細胞(OSC)においてRNAi法により、レトロトランスポゾン抑制に必須な因子のスクリーニングを行った。その結果、HPlaやMaelstrom、Spindle Eなどのノックダウン細胞で、コントロールに比較してレトロトランスポゾンの発現が数百倍上昇することを見いだした。これはPiwiのノックダウン実験においても認められた現象であることから、以上の因子はPiwiと共にレトロトランスポゾンの発現抑制に関与することが示唆された。そこで各因子に対するマウスモノクローナル抗体の作製を行い、特異的に認識する抗体を得た。一方、Piwiによるレトロトランスポゾンの発現抑制に重要なPiwiの機能領域を特定するため、PiwiのRNAi耐性発現ベクターを構築し、レスキュー実験を行った。その結果、Piwiによるレトロトランスポゾンの発現抑制には、Piwiの核局在が必須であることを証明した。更に、PiwiのRNA切断活性は不必要であることを明らかにした。以上の知見はPiwiの核内機能がレトロトランスポゾンの発現抑制に必須であることを証明したものであり、その意義は大きいと考える。また、本研究により構築したレスキュー解析は非常に感度が高いため、今後、Piwiの機能解明を進める上で重要なツールになると期待される。
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