2009 Fiscal Year Annual Research Report
受精・発生を支える精子細胞特異的に発現する遺伝子の欠失マウスの解析
Publicly Offered Research
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
21028023
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
田中 宏光 Nagasaki International University, 薬学部, 准教授 (10263310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 守正 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (20220965)
藤本 京子 長崎国際大学, 薬学部, 助教 (50435137)
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Keywords | 生殖細胞 / 分化・発生 / 精巣 / 蛋白質 / マウス / 遺伝子破壞 |
Research Abstract |
生殖細胞の特質を理解するために、生殖細胞特異的遺伝子群のクローニングと解析を行い、雄性の生殖細胞である精子形成について研究を進めてきた。今回、それら遺伝子の遺伝子破壊マウスを作成しその解析から生殖細胞の特質に迫ることを目的に研究を進めた。 我々は、精子細胞分化でのポリアミン生合成について解析を進めるため、OAZ-t遺伝子破壊マウスを作製した。その結果、OAZ-tが精子形成に必須であることが明らかになった。OAZ-t KOマウスの精子は、培養液中で頭部と尾部が局所的に分断したにもかかわらずそれぞれの細胞断片は代謝を維持していた。OAZ KOマウス精子頭部の先体反応の誘起が、強制的なカルシウムの流入によっても阻害されることは、OAZ-tが精子のアクロソーム形成に関与することを示しているのかもしれない。一方、精子鞭毛にはシグナル伝達や、さまざまな細胞の代謝に関与するタンパク質が存在する。OAZ-t KOマウスの先体は正常で、先体反応の誘起には、精子鞭毛からの何らかの刺激を必要としていることを示しているとも考えられる。OAZ-t KOマウスの鞭毛をDsRedでラベルしたマウスを作成することができた。今後このマウスの精子の鞭毛が鞭毛だけの活性で輸卵管を登ることができるのかを観察し、精子細胞が受精するために必須な条件の理解に役立てたい。 OAZ-t KOマウスの詳細な解析により、精子と卵の受精のメカニズムの理解が得られるものと考えられる。
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Research Products
(4 results)