2010 Fiscal Year Annual Research Report
カゴ状結晶におけるラットリングの核磁気共鳴による研究
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of Heavy Electrons and Their Ordering |
Project/Area Number |
21102517
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
真岸 孝一 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (00304501)
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Keywords | 強相関電子系 / カゴ状結晶 / 充填スクッテルダイト / 核磁気共鳴 / ナイトシフト / 核スピン-格子緩和時間 / 超伝導 / 磁性 |
Research Abstract |
本研究では、[Pt_4Ge_<12>]-cageに注目し、各サイトの微視的電子状態を調べ、cage内の内包イオンのラットリングが物性に及ぼす影響を調べている。特に、イオンの価数やサイズの違いとラットリングの関係について比較し、それらに基づいて新規機能性の発見の可能性を考察する。具体的には、ラットリング効果の大きいLaPt_4Ge_<12>と効果の小さい(Sr,Ba)Pt_4Ge_<12>の微視的な電子状態を比較した。 本年度は、(La,Pr)Pt_4Ge_<12>および(Sr,Ba)Pt_4Ge_<12>の^<73>Ge-NQR測定を行い、ゼロ磁場下における超伝導状態の本質的振る舞いを調べた。その結果、核スピン-格子緩和率1/T_1の測定において、T_c直下にコヒーレンスピークが観測されなかったLaPt_4Ge_<12>の場合と対照的に、(Sr,Ba)Pt_4Ge_<12>の場合、コヒーレンスピークが観測され、また低温での1/T_1の温度変化からBCS型超伝導体であることを示した。この振る舞いは、磁場によりコヒーレンスピークがつぶれた^<195>Pt-NMRの結果とは対照的である。一方、PrPt_4Ge_<12>の場合は、コヒーレンスピークが観測されたものの、理論モデルに比べてやや小さく、μSR測定から指摘されるような、超伝導ギャップに点状ノードの存在を示唆する結果が得られた。
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Research Products
(7 results)