2009 Fiscal Year Annual Research Report
酸化亜鉛電界効果素子の光学特性におけるクーロン相関効果
Publicly Offered Research
Project Area | Optical science of dynamically correlated electrons in semiconductors |
Project/Area Number |
21104502
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
牧野 哲征 Tohoku University, 原子分子材料科学高等研究機構, 講師 (70311363)
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Keywords | 励起子 / クーロン相関 / 2次元電子系 / 電界効果 / 発光 |
Research Abstract |
変調ドープ構造などのZnO系量子構造の光学特性解明に着実に取組み、実りあるフィードバックを結晶性薄膜作製スタッフと行った結果、ZnO変調ドープ量子井戸において初めて荷電励起子を発見することが可能となった。それとともにその50テスラまでの磁場印加環境下での磁気光学特性を明らかにすることができたばかりでなく、変調ドープ量子井戸におけるホールのランデg因子などを実験的に定量することができた。価電子帯の波動関数における対称性に関する議論へも発展的に点買うすることができた。原子層堆積装置を用いてZnO系のショットキー接合構造を試作した。また銅酸化物系デラフォサイト薄膜の基礎的な光学特性を探究した結果、CuScO_2が400meVもの大きな励起子束縛エネルギーを誇ることを発見した。このような安定な励起子に関わる光学活性を利用した光スイッチなどの応用が充分に期待されるため、フェムト秒超高速レーザー分光法を用いた透過型時間分解ポンプ・プローブ実験を行ったところ、時間分解差分透過スペクトルの形状やその時間変化をフルテン型の遮へいポテンシャルを仮定した励起子吸収スペクトルの計算モデルによってあらかた説明することができた。フルテン型励子モデルを時間分解透過スペクトルの解析に用いた初めての例であるばかりでなく、上述のような理論結果との比較から銅酸化物系デラフォサイト薄膜における励起子の有効寿命を0.8ナノ秒と実験的に世界で初めて決定することができた。
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