2010 Fiscal Year Annual Research Report
酸化亜鉛電界効果素子の光学特性におけるクーロン相関効果
Publicly Offered Research
Project Area | Optical science of dynamically correlated electrons in semiconductors |
Project/Area Number |
21104502
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
牧野 哲征 独立行政法人理化学研究所, 強相関界面デバイス研究チーム, 基幹研究所研究員 (70311363)
|
Keywords | 励起子 |
Research Abstract |
ZnOを井戸層、MgZnOを障壁層とする変調ドープ単一量子井戸においてその磁気光学特性に及ぼす電子注入の効果を探査した。デルタ・ドープ層が量子井戸に近づくと注入された電子による内部分極電界のスクリーニングが起こる結果量子井戸からの励起子発光のエネルギーが高エネルギー側へブルーシフトした。またファラデー配置により50テスラまでの強磁場を印加した条件下で円偏波発光成分およびそのゼーマン効果を測定・解析した結果、ZnO変調ドープ構造において初めて荷電励起子を発見するとともにその磁気光学特性を明らかにすることができた。また、電場変調電場変調反射スペクトルを分子線エピタキシー法で成膜したZnO単一量子井戸において温度領域10~200ケルビンにて測定した。その結果、量子井戸の励起子共鳴領域で得られたスペクトルに特徴的なアノマリーを得ることができ、その外部電界依存性を求めた。実験結果は、励起子モデルにより解析中である。また、励起子の動的クーロン相関理論の検証に適した新材料探索を目的としデラフォサイト薄膜を光学評価したところ、CuScO2の励起子束縛エネルギーが400meVと巨大なものであることが分った。上記目的に適した材料であることが判明した上、励起子を利用した光スイッチなどの応用が期待されるため、超高速レーザー分光実験を行ったところ、時間分解スペクトルの形状をHulthen型の遮へいポテンシャルを仮定した励起子吸収スペクトルの計算モデルによって説明することができた。また当物質における励起子寿命を0.8ナノ秒と決定した。
|
Research Products
(6 results)