2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機燐光試料のコヒーレント制御
Publicly Offered Research
Project Area | Optical science of dynamically correlated electrons in semiconductors |
Project/Area Number |
21104508
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 隆行 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (80539510)
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Keywords | 有機物燐光材料 / フェムト秒パルス / コヒーレント制御 / 位相制御 |
Research Abstract |
有機物の燐光材料は、安価に大量合成可能な自発的発光素子として高い応用性が期待できる。従来から、材料学の観点から様々な燐光収率の効率化が検討されてきた。本研究では、コヒーレント光パルスおよびその制御技術を転用して、光制御を通した燐光過程の制御、すなわち燐光過程のコヒーレント制御を目的としている。 可視域の燐光材料の励起には必然的にそれよりも短波長の光源が必要になる。このため、燐光の制御実験に際しては青から紫外域の制御可能な光パルスの生成が不可欠となる。本年度はこのような目的のため、チタンサファイアレーザー発振器からの出力の第二高調波発生を利用した波長変換により400nm帯のフェムト秒パルスを生成に着手し、その特性評価系の構築、位相制御システムの設計を行った。研究計画との差異として、位相制御系に高い回折効率で近年注目を集めているVPH透過型回折格子を用意した。これにより、より大きい負分散が実現でき、計画時よりも高い制御性が期待できる。 さらに、微弱な燐光を観測できるように、モノクロメータの出射側に高感度なEMCCDを装着した分光計を構築した。最初のデモンストレーションとして、青色超短パルス光による励起後の燐光強度の緩和減衰時間の測定を行った。 上記のように、励起光源の整備および観測系の構築を順調に進め、計画の中枢に取り掛かる準備が完了した。
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