2009 Fiscal Year Annual Research Report
スピン自由度を持つフェルミ縮退原子気体を用いたクロスオーバー領域の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Optical science of dynamically correlated electrons in semiconductors |
Project/Area Number |
21104513
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高須 洋介 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (50456844)
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Keywords | レーザー冷却 / 量子縮退 / フェルミ縮退 / 量子相転移 |
Research Abstract |
本研究の最終目標は、深くフェルミ縮退したスピン自由度を持つ2つのフェルミ同位体原子において、原子間相互作用を連続的に変化させることで、Bose-Einstein凝縮(BEC)-Bardeen-Cooper-Schrieffer(BCS)クロスオーバー領域での物性を実験的に研究することである。本研究では、混合フェルミ縮退系としては、それぞれスピン偏極していない、6Li-171Yb、または6Li-173Ybの系を用いる計画である。研究初年度の平成21年度では、混合フェルミ縮退系の実現を目指して、Li-Yb原子団の同時磁気光学トラップ、および同時光双極子力トラップの開発を行った。その結果、Li-Yb原子の同時磁気光学トラップに成功し、原子数はLi原子が2×10^8個、Yb原子が1.4×10^7個であり、温度はLi原子が800μK、Yb原子が10μKであった。トラップ寿命は60秒程度であった。同時光双極子力トラップにも成功し、原子数はLi原子が1.3×10^5個、Yb原子が4.2×10^6個であった。トラップ寿命は4秒程度であった。Ybについては蒸発冷却についても行い、300nK程度の温度まで冷却することに成功した。位相空間密度で0.08程度であった。更なる最適化により、量子縮退実現へは可能であると考えている。以上のように、平成21年度において、本研究の進展に十分な研究体制を確立することができたと考えている。
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