2009 Fiscal Year Annual Research Report
絶対零度核物質状態方程式計算のための変分法の改良
Publicly Offered Research
Project Area | Research on the Emergence of Hierarchical Structure of Matter by Bridging Particle, Nuclear and Astrophysics in Computational Science |
Project/Area Number |
21105510
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鷹野 正利 Waseda University, 理工学術院, 教授 (00257198)
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Keywords | 一様核物質 / 状態方程式 / 変分法 |
Research Abstract |
現実的核力から出発して絶対零度の核物質状態方程式を計算するために、主にエネルギー汎関数を用いた変分法の改良を行なった。 エネルギー汎関数を用いた変分法は、2体核力のテンソル力成分から生じるテンソル相関に関するエネルギー汎関数の改良を踏まえ、中心力成分とテンソルカ成分だけから成るv6'型核力ポテンシャルを用いた場合のエネルギー計算を、中性子物質と対称核物質に対して行なった。しかしこれらは期待される値に比べ低いエネルギー値を与えたため、より現実的な値を得るため、粒子数保存則であるMayer条件を拡張した条件を緩く課す、条件付き変分法(Moderately Constrainod Variational Method:MCVM)を提唱し、その有効性を調べた。 Mayer条件は2体分布関数に関する、粒子間距離rについて無限遠までの積分に対する条件であるが、MCVMではこのMayer条件を修正し、rの積分範囲を有限とした、より厳しい条件を用いる。ただし任意の積分領域でこれらの条件が満たされる必要がないため、積分領域が大きくなるにつれて条件をより厳しく課すこととする。すると2体分布関数の尾が緩やかに抑えられ、Mayer条件の大きな破れや、エネルギー計算値が低くなる困難が解消された。 さらに、より現実的な核力を用いた場合の改良を目指し、スピン軌道力を考慮した場合の、スピン軌道力相関から生じる運動エネルギーに関するエネルギー汎関数の改良に着手した。
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Research Products
(3 results)