2009 Fiscal Year Annual Research Report
核力と超弦理論
Publicly Offered Research
Project Area | Research on the Emergence of Hierarchical Structure of Matter by Bridging Particle, Nuclear and Astrophysics in Computational Science |
Project/Area Number |
21105514
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
橋本 幸士 The Institute of Physical and Chemical Research, 川合理論物理学研究室, 専任研究員 (80345074)
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Keywords | 超弦理論 / 核力 / 斥力芯 / Skyrmion / Dブレーン |
Research Abstract |
超弦理論の数学的技術を用いて、QCDから核力を導出する一歩として、近距離核力の導出を行った。近距離では核子は非常に強い斥力を及ぼしあうことが知られている。弦理論の技術でQCDの強結合を扱い、核子の斥力芯が再現されるかどうかは、弦理論の技術の一つの確証ともなる大事な一歩である。我々の研究では、近距離斥力が非常に大きく存在することが示された。また、強結合QCDを解析的に解いて近距離斥力を出したのは世界で初めてのことであり、この結果は論文発表に加えて多数の招待講演などを通じて広く世界に発信した。研究成果は特に、核子間の距離の二乗の逆数としてポテンシャルエネルギーが増えることを示しており、この結果は通常の弱結合の理論では非常に考えにくい。従って、格子QCDなどの数値的手法に対する予言となっているほか、現実の低エネルギーハドロン実験への予言ともなっている。 このような核子の取り扱いは、Skyrmionと呼ばれる核子の取り扱いに非常に似ており、世界的なSkyrmion研究の対価であるNick Manton氏をケンブリッジ大学から招聘し、詳細な議論を行った。招待セミナーを通じて研究の見通しが大変良くなり、今後、多核子系の取り扱いにっいて、初段階の研究成果を既に出すことが出来た。CERNの研究者を招聰し、超弦理論を用い多核子の新しい表現方法について議論を行った。 様々な研究会で招待講演を行うほか、積極的に京都大学等で開催されている研究会に出席し、研究成果について研究者と議論を行った。
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Research Products
(4 results)