2010 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解界面振動分光法によるソフトマター界面構造の速度・分子論的追跡
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
21106501
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
魚崎 浩平 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, コーディネーター (20133697)
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Keywords | 和周波発生分光法 / ソフト界面 / 界面水 / ゲル / ポリマーブラシ |
Research Abstract |
本研究は、界面選択的な振動分光法である和周波発生(SFG)分光法を「ソフトマター界面」へ適応し、ソフトマター自身と界面の水の構造を明らかにし、分子間相互作用(水素結合等)に関する情報を得ることを目的としている。本年度は、以下の2つの項目について検討を行った。 【1】低摩擦性高分子ゲル界面水の構造評価 Poly vinyl alcohol(PVA)ゲルなどの低摩擦性ゲルは、含水状態で非常に低い摩擦係数を示す。この摩擦特性はゲルと接触界面に潤滑剤として働く水の層が存在し、その水の層が低摩擦性を持つための重要な役割を果たしていると考えられている。そこで、SFG分光法を高分子ゲル/固体界面へ適用させ界面水の構造評価を行った。その結果、接触界面の水素結合の弱い水分子が低摩擦に関連していることが分かった。 【2】種々の環境下での高分子電解質膜の構造評価 生体膜のモデルとして知られる高分子電解質ブラシの分子構造および水と接触させたときの構造変化をSFG分光法により評価し、周囲の環境変化(水、水蒸気、Arガス)に対する表面構造の変化を追跡し、ブラシと水分子間の相互作用を明らかにした。具体的には、乾燥窒素中では、メチル基に由来したピークしか見られないことから、アルキル鎖部分がall-trans構造をとっているが、水蒸気と接触することでアルキル部位は水を嫌い、乱れた構造をとることが分かった。さらに水と完全に接触すると、水中ではアルキル部位はランダムな構造をとることが示唆された。
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Research Products
(10 results)