2009 Fiscal Year Annual Research Report
水中での高分子の自発的集合化に基づく動的界面の創製とその機能・メカニズム解析
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
21106505
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸村 顕広 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (70422326)
|
Keywords | ポリイオンコンプレックス / ベシクル / ブロック共重合体 / ポリアミノ酸 / 自己組織化 / ミクロ相分離 / ポリエチレングリコール / 超分子重合 |
Research Abstract |
本研究は、ポリエチレングリコールとポリアミノ酸からなるブロック共重合体を基盤とする分子集合体の形成メカニズムや形態制御、及び水中での動的挙動に関する基礎的知見を深めることを目的にしており、特に、ポリイオンコンプレックス(PIC)が示すナノスケールでの動的挙動とマクロスコピックなレベルでの動的構造変換を結びつけるべく研究を実施した。平成21年度は、ナノサイズのPIC型ベシクルPICsomeに特有の動的挙動(サイズの時間変化の温度依存性、外濫の影響)の分析を行った。その結果、粒子の成長が一次の反応速度式で記述できることを見出した。また、ボルテックスミキサーによる攪拌混合により粒径を初期化できることも見出した。蛍光相関分光や蛍光共鳴エネルギー移動などの蛍光分析を用いたリアルタイム分析、及び、極低温凍結法を用いた電子顕微鏡観察や構造の化学的固定を用いたクロマトグラフィー分析などを用いてスナップショットを取得し、経時変化を追跡した結果、これらの特異な挙動が一対のPICの吸収や、せん断応力の印加による一対のPICへの分解に起因することが見出された。同時に、ポリマー組成・構造の影響を評価するための種々のポリマーのバリエーションを合成し、特にポリイオン鎖の鎖長や側鎖構造が生じるPICの形態やダイナミクスに与える影響に関する評価を開始した。また、その過程で、詳細な光学顕微鏡観察と電子顕微鏡観察から、予想を超えたPICナノ構造体が形成されることを発見した。
|
Research Products
(58 results)