2009 Fiscal Year Annual Research Report
高分子結合性ペプチドを用いた機能性ソフト界面の創製
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
21106506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芹澤 武 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 准教授 (30284904)
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Keywords | スクリーニング / 表面処理 / ペプチド / ファージ / 水和 / 表面プラズモン共鳴 |
Research Abstract |
本研究では、疎水性高分子を水中に浸漬した際に形成される高分子ソフト界面の正確な構造の理解とともに、高分子結合性ペプチドを効率の良い表面修飾剤として利用した機能性界面の構築手法について明らかにすることを目的とする。具体的には、(1) PMMAなどの汎用性高分子のソフト界面形成に及ぼすパラメータの整理、(2)それらのフィルムに対する高分子結合性ペプチドの結合状態の評価、(3)表面修飾剤としてのペプチドの設計指針の確立、(4)様々な表面修飾への適用の順に研究を展開する。本年度は、汎用性高分子に結合する7残基ペプチドをファージシスプレイ法により取得した。同定されたペプチドをFmoc固相合成し、高分子フィルムへの結合挙動を表面プラズモン共鳴装置により詳細に解析した。一方、ペプチドレベルでの詳細な結合解析が終了しているイソタクチックポリメタクリル酸メチルと7残基ペプチドの組み合わせに関する新たな知見を得るために、水に浸漬したit-PMMAフィルムへの水の浸入の有無について評価した。また、原子間力顕微鏡により空気中ならびに水中における膜厚測定を行い、水の浸入に伴う膜厚変化について定量的に評価した。キャラクタリゼーションが完了した高分子フィルムに対してペプチドを結合させ、結合前後における構造の違いやペプチドの露出について評価し、ペプチドの結合位置や潜り込み深さなどの情報を得た。以上より、高分子ソフト界面の形成とペプチドの結合状態との関係について整理した。
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