2010 Fiscal Year Annual Research Report
高分子結合性ペプチドを用いた機能性ソフト界面の創製
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
21106506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芹澤 武 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (30284904)
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Keywords | スクリーニング / 表面処理 / ペプチド / ファージディスプレイ / 膨潤 / 表面プラズモン共鳴 |
Research Abstract |
本研究では、疎水性高分子を水中に浸漬した際に形成される高分子ソフト界面の正確な構造の理解とともに、高分子結合性ペプチドを効率の良い表面修飾剤として利用した機能性界面の構築手法について明らかにした。Fmoc固相合成により高分子結合性ペプチドのN末端もしくはC末端を適当なスペーサーを介してビオチン化した。スペーサーとして、ペプチドの結合や修飾反応に干渉しないことが予想されるオリゴエチレングリコール鎖を用いた。ビオチン化ペプチドを所定条件下で高分子フィルムに結合させ、それらのペプチドに対応するストレプトアビジンの結合について、表面プラズモン共鳴や水晶発振子により定量的に解析した。ペプチドを介した表面修飾に対する高分子-ペプチドの組み合わせ、フィルムの調製方法、導入する官能基の種類、スペーサー長、修飾分子の種類・サイズ・形態、ペプチドの固定化量の影響などについて整理し、高分子ソフト界面の構造との関連性について検討した。高分子の表面構造のわずかな違いにより、ペプチドの2次元分布やペプチドが結合する深さ方向の位置が異なり、タンパク質の結合量が変化した。すなわち、高分子表面でペプチドを効率よく機能させるためには、高分子の種類や製膜履歴などに依存した水中での高分子の界面構造を考慮する必要があることがわかった。一方、ペプチドの結合位置を知ることが高分子の界面構造を間接的に知る手段となりうることが明らかになった。
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