2010 Fiscal Year Annual Research Report
NSポリペプチドの特性解析と細胞磁気ラベリングへの応用
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
21106507
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
吉野 知子 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 特任准教授 (30409750)
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Keywords | 磁性粒子 / ポリペプチド / Protein G / 非特異的吸着 / 細胞 |
Research Abstract |
細胞関連アプリケーション用のマテリアルを開発する際に、共通の問題は、マテリアル表面への細胞の非特異的吸着である。非特異的吸着の抑制に効果があるポリエチレングリコール等の機能性分子の特性を模倣し、非荷電かつ極性アミノ酸であるアスパラギン(N)とセリン(S)から構成された非天然型ポリペプチド(NSポリペプチド)を分子設計した。さらに、磁性粒子上に配することで細胞への非特異的な吸着を抑制可能であることを見出している。一方、NSポリペプチドを配した磁性粒子は細胞の様な比較的大きな標的に対しては効果的であるのに対し、タンパク質等の小さな標的に対しては、十分な非特異的吸着の抑制効果が現れないことが示された。本結果は、磁性粒子表面のNSポリペプチドの被覆密度が低いことに起因していると考えられた。そこで、NSポリペプチドの磁性粒子上への新しい導入方法として、Temporin Lと呼ばれる磁性粒子上の脂質膜への挿入が実証されているペプチドを用いたNSポリペプチドの高密度導入を試みた。ポリペプチドは、Temporin L(LIRGLFKSFWQVF)のN末端に(N_4S)_3を融合したものを使用した(NS-テンポリンポリペプチド)。本ポリペプチドを磁性細菌から抽出した磁性粒子と混合することで、NSポリペプチドの高密度導入、および分子数の制御が可能な導入方法を確立した。さらに、磁性細菌の発現システムにより抗体と結合性をもつProtein GとNSポリペプチド((N_4S)_<20>)の融合タンパク質をディスプレイした磁性粒子を調製し、同様に蛍光標識のNS-テンポリンポリペプチドの固定化に成功した。本磁性粒子は標的細胞に特異的に結合する抗体を導入することにより、細胞への非特異的吸着を抑制した蛍光・磁気ラベリング可能なマルチ磁性マテリアルとなるため、様々な細胞関連のアプリケーションへの利用が期待できる。
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