2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子複合固定ソフト界面に基づく増幅・濃縮型高感度イムノアッセイデバイスの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
21106517
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
久本 秀明 Osaka Prefecture University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00286642)
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Keywords | ELISA / イムノアッセイ / 角型キャピラリー / マイクロTAS / バイオセンシング / 等電点電気泳動 |
Research Abstract |
本研究では、我々がごく最近開発した化学結合・物理吸着併用型の表面修飾技術を用いてソフト界面形成キャピラリーを作製し、「簡便性」「高感度」を両立させたイムノアッセイの実現・デバイス化を目的とする。本年度はキャピラリー内壁にグルコースオキシダーゼ(GOD)と抗体(抗ヒトIgG)を共有結合で固定化し、その表面にペルオキシダーゼ(HRP)標識抗体(抗ヒトIgG)を含有したポリエチレングリコール膜を物理吸着で固定したキャピラリーを用いた増幅型1ステップイムノアッセイの基礎検討を実施した。ここではこのキャピラリーに、試薬溶液(蛍光基質・グルコース・アスコルビン酸溶液)と検体タンパク(ヒトIgG)溶液を混合した試料溶液を毛細管現象のみの1ステップで導入し、その蛍光応答挙動を評価した。 このキャピラリー型センサーは、GOD,HRPの2つの酵素が近接する際、相対的に蛍光強度が大きくなることを原理としているため、まず2酵素近接効果の確認を行った。GOD・抗ヒトIgG固定化表面にヒトIgG・HRP標識抗ヒトIgGを連続導入して壁面に複合体を形成させ、上記検出試薬溶液を導入したところ、2つの酵素反応に基づく蛍光強度上昇が見られた。一方、抗原を導入せずに、先の実験に対し1000倍濃度のHRP標識抗ヒトIgGを含む検出試薬溶液を導入すると、酵素抗体濃度が高いにも関わらず、相対的に小さな蛍光強度が得られるのみであり、ある一定の条件が整えば2酵素近接効果を用いて抗原濃度を識別できることを明らかにした。このキャピラリーにHRP標識抗ヒトIgG膜を物理吸着させ、実際に1ステップ化イムノアッセイ左試みたところ、ng/mlオーダー以上の抗原に対して検量線を得ることができた。
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