2009 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカルポリマーゲルを用いた超高速電荷輸送ソフト界面の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
21106519
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小柳津 研一 Waseda University, 理工学術院, 准教授 (90277822)
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Keywords | ラジカル / ゲル / 電荷貯蔵 / 電荷輸送 / 二次電池 |
Research Abstract |
ニトロキシドやガルビノキシルなどの有機安定ラジカル種がモノマー単位当たり置換した非共役系ポリマーである「ラジカルポリマー」を用いて、高速かつ高密度の電荷輸送・貯蔵機能をもつ電解質膨潤ゲル膜を創出し、電子・イオン輸送現象の全容解明により有機二次電池の具体化に不可欠な革新的電極活物質を創出することを目的とする。これらの支配因子と考えられる膜/電解液界面における物質移動を効率化する切り口から、大容量の電荷貯蔵に関わるソフト界面の化学を確立する。本年度の研究成果を以下に列記する。 (1) 電解液膨潤ゲルを形成するラジカルポリマーの設計と合成:ニトロキシドラジカルやガルビノキシルをモノマー当りに置換したラジカルポリマーについて、自己電子交換による電荷輸送に適したラジカル席間距離を有する高密度ポリマー骨格を設計した。ラジカル濃度高く合成する条件を明確にするとともに、電気化学的に可逆応答を示すポリマーを絞り込んだ。電解液中で膨潤させるため、ラジカルポリマーに臨界架橋密度以上の架橋構造を導入した。電極上に湿式法で膜厚制御しながら成膜した後に架橋体へと効率的に変換するため、光架橋や熱架橋に適した官能基を導入したポリマーを合成し、分子構造を明らかにした。 (2) ラジカルポリマー/電解液界面の有機電気化学確立:ニトロキシドラジカルはオキソアンモニウムカチオンとの間で可逆性高いレドックス応答を示すこと、ガルビノキシルの電極反応はガルビノラートアニオンを可逆的に与えることを明らかにした。電極反応速度や対イオンの拡散係数を実測し、溶媒因子や対イオン種との相関を明確にした。安定ラジカル種の速い外圏的電子移動が、膨潤ゲル中でも大きな電極反動速度を与えることを実証し、高速電荷輸送可能な機能性ゲルとして提案できた。レドックス席を酸化型や還元型の両酸化状態で単離・同定し、化学安定性や耐久性も部分的に把握している。
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Research Products
(5 results)