2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカルポリマーゲルを用いた超高速電荷輸送ソフト界面の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
21106519
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小柳津 研一 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (90277822)
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Keywords | ラジカル / ゲル / 電荷貯蔵 / 電荷輸送 / 二次電池 |
Research Abstract |
本研究は、有機安定ラジカル種がモノマー単位当たり置換した非共役系ポリマーである「ラジカルポリマー」を用いて、高速かつ高密度の電荷輸送・貯蔵機能をもつ電解質膨潤ゲル膜を創出し、膜の内部における電子移動とそれにともなうイオン輸送現象の全容解明により、革新的電極活物質を創出することを目的とする。特に、これらの支配因子と考えられる膜/電解液界面における物質移動を、ポリマーゲル表面への規則的・階層的構造の導入を手段として効率化する切り口から、大容量の電荷貯蔵に関わるソフト界面の化学を確立する。酸化還元活性なラジカル席が密集した電解液膨潤ゲルを、外部からの電気刺激により酸化状態やDonnan平衡が素早くダイナミックに変化する機能性ソフト界面と捉え、エネルギー分野を志向した材料開拓の切り口から、ソフト界面の分子科学創出の一例として貢献する。 (1)界面構造制御による炭素フリーの活物質設計 メソスコピックレベルの規則・階層的構造をポリマーゲル/電解液界面に形成させ、電極面積当たりのレドックス容量と充放電のレート特性を両立させた斬新な機能性ゲルを創出した。光架橋ラジカル膜へのパターニングや相分離を利用したイオン移動チャンネルの導入により、電荷や対イオンの正味の拡散距離を低減させた構造を構築し、ポリマー膜への電荷注入が対イオンによる電荷補償に律速されず、あたかも溶存レドックス種のように素早く応答するソフト界面として確立した。 (2)電子・イオン輸送現象の解明と制御 ポリマーのキャスト膜における低次元イオン輸送チャンネルを形成するイオノフォア機能を期待して、ラジカル置換ポリエーテル類へと展開、ラジカル部位の電荷補償カチオン種について、ポリエーテル相互作用に基づく拡散経路を形成させた。有効レドックス層として働くポリマー膜厚を把握し、対イオンの拡散性向上が不活性層低減に繋がることを実証した。
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Research Products
(6 results)