2010 Fiscal Year Annual Research Report
固液界面での分子ダイナミクスに基づく電気化学的な自己報告型遺伝子検出デバイス
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
21106523
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
青木 寛 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (00392580)
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Keywords | DNA / 遺伝子検出 / バイオセンサ / 超分子電気化学 / 遺伝子プローブ / ラベル化不要 |
Research Abstract |
遺伝子発現に基づく新規環境診断技術の開発のため、簡便・迅速・高感度な遺伝子検出技術が求められている。本研究では、遺伝子検出後に信号が増加する"signal-on"型の遺伝子検出用電気化学デバイスの開発を目指した。そのため、電気化学信号発生団としてフェロセン、信号抑制団としてβ-シクロデキストリンを両端に有するプローブを開発した。このプローブは、ターゲット認識前はプローブ構造が柔軟なため両団が弱い内包錯体を形成して信号が抑制されており、認識後は二重らせんが形成されプローブ構造の剛直化による錯体解離が起こり、その結果信号が回復して認識の有無を知らせる。このプローブを用いて、バルク溶液中でのターゲットDNAとのハイブリッド形成によるフェロセン酸化還元信号の増加が観測された。また本年度は、耐熱・耐薬品性に優れたセラミックス基板を用いて、マイクロ電極アレイを作製した。本研究では、当初使用を検討していたガラス基板よりも耐熱・耐薬品性に優れたセラミックス基板を使用した。このアレイの金電極表面上に、20nLの遺伝子プローブ溶液を塗布してプローブの固定化を行った。この際の塗布は、本研究を通じて開発したピッチ可変型アレイスポッタを用いて行った。セラミックス基板は従来電極表面に分子を固定化するのに向いておらず、従ってセンサ用電極として利用されて来なかったため、電極表面のセンサ用電極としての最適化に技術的課題があった。本研究を通じてこれを克服し、その結果、複数の異なる微小遺伝子センサを高集積アレイ状に有する遺伝子センサアレイの構築に成功した。また、特定の遺伝子に対する電気化学的応答の観測にも成功した。 このようにして、"signal-on"型の遺伝子検出システムの構築と、セラミックスデバイスに基づく簡便・迅速な一次スクリーニング技術としての遺伝子センサアレイチップの開発を推進することができた。
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Research Products
(15 results)