2009 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド線維形成中間体の立体構造と揺らぎ
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
21107516
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 祐児 Osaka University, 蛋白質研究所, 教授 (40153770)
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Keywords | アミロイド蛋白質 / 脳神経疾患 / 透析アミロイドーシス / 脳神経疾患 / アルツハイマー病 / 糖尿病 / 蛍光顕微鏡 / NMR |
Research Abstract |
透析アミロイドーシスの原因となるβ2ミクログロブリン、およびアルツハイマー病に関わるアミロイドβ、II型糖尿病の原因となるIslet Amyloid Polypeptide (IAPP)を材料として、アミロイド線維形成の中間体に焦点を当てて、構造と揺らぎの検出と解析を行った。 (1)まず、溶液NMRと重水素交換反応を組み合わせた新たな方法により、線維形成中間体の構造と揺らぎを解析した。その結果、線維の側面に結合した初期中間体の蓄積すること、このような中間体ではまだ水素結合は形成されておらず、重水素交換からも保護されていないことを明らかにした。これにより、線維形成反応の新たなモデルを提唱した。このモデルにより、既存の線維側面からの枝分かれや、塩濃度に依存した凝集、協同的な伸長反応が説明できる。 (2)並行して全反射蛍光顕微鏡を行いて、線維形成の中間体の構造と揺らぎを探った。特に、IAPPに新たな蛍光色素を導入して、従来のチオフラビンとは区別して線維を観察することに成功した。 (3)また、レーザー照射によるアミロイド線維の部分的破壊や、あるいは逆に、線維の爆発的増殖を解析した。その結果、レーザーエネルギーに対して、弱いときはアミロイドの増殖、強いときは崩壊が起き、全体でベル型の依存性を示すことを明らかにした。このようなベル型の依存性はレーザー照射に限らず、アミロイド線維を不安定化させる他の因子についても一般的であると考えられる。
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Research Products
(11 results)