2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜の揺らぎと造血システム(正常造血と造血器腫瘍)
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
21107522
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡田 誠治 Kumamoto University, エイズ学研究センター, 教授 (50282455)
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Keywords | 造血幹細胞 / 造血器腫瘍 / 癌 / 動物モデル / 細胞膜 |
Research Abstract |
本研究の目的は、"細胞膜の揺らぎ"がヒトの正常造血及び造血器腫瘍へ及ぼす影響を解明し、その成果を造血障害や造血器腫瘍の治療に応用することである。特に、造血幹細胞と造血器腫瘍に焦点を絞り、"細胞膜の揺らぎ"が、これらの幹細胞や腫瘍細胞の機能に及ぼす影響をin vitro及びヒト化マウスとヒト造血器腫瘍モデルマウスを用いたin vivoの系を用いて解析する。そして、正常細胞には毒性がなく、癌細胞の細胞膜を標的とした新たな「膜標的療法」の確立を目指す。 平成21年度は、Hybrid Liposome(HL)のPrimary effusion lymphoma (PEL)への効果を、in vitro培養系とPEL発症マウスモデルを用いたin vivoの系により解析した。その結果、HLが末梢血リンパ球に比較してPEL細胞に特異的に取り込まれ、早期に細胞膜の流動性を上げてcaspaseを活性化すること、HLがPEL細胞にアポトーシスを誘導すること、PELマウスモデルにおいて、副作用がなくPELの増殖を抑制する事を見いだし、論文として発表した。PELは薬剤耐性で有効な治療法がないため、新たな治療法としてのHLの可能性が示唆された。 また、Cepharanthineに膜の安定化作用があることを見いだした。今後更に詳しい解析を行い、造血器腫瘍治療薬としての可能性を追求する予定である。
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Research Products
(2 results)