2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体環境に基づく人工揺らぎ反応場が酵素に与える影響
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
21107524
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
戸谷 希一郎 Seikei University, 理工学部, 准教授 (80360593)
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Keywords | 揺らぎ / 酵素 / 糖鎖 / 分子クラウディング / 微小空間 / 細胞外マトリクス |
Research Abstract |
生体内は多様な生命分子が織りなす不均一な環境であり、酵素反応場は常に揺らぎの中に存在しているものと考えられる。また酵素自体の3次元構造も周辺環境の揺らぎに伴って動的に変化している可能性もある。本研究は酵素反応が生体内反応場に由来する揺らぎによって受ける影響を明らかにし、揺らぎを加味した酵素アッセイ法の確立を目的としている。そこで「分子濃度」「微小空間」「異常拡散」という3つの揺らぎ生む可能性のある要素を加味した反応場を構築し、その中で多様な酵素の活性・性状解析を行う。これにより生体内揺らぎの中で連続的に起こる酵素反応過程を分子レベルで理解することを目的としている。 本年度は、前述の3つの揺らぎヨウ素を加味した分子クラウディング反応場、エマルジョン/リポソーム反応場、ヒアルロン酸反応場を構築し、それらの環境場における酵素アッセイ法を確立するとともに、それぞれの系に特有な活性を示す酵素反応モデルを見出した。具体的には、小胞体グルコシダーゼIIが上記3つの特殊環境において通常のアッセイ環境に比べて有意に高い活性を示すこと,ならびに小胞体マンノシダーゼ郡の一部が分子クラウディング環境やリポソーム環境において、通常のアッセイ環境に比べて活性が低下することを発見した。さらに小胞体内の連続した糖タンパク質糖鎖プロセシング反応は分子クラウディング環境において、初期のトリミング速度が活性化し、後期のトリミング速度が低下することによって、通常のin vitroアッセイとは異なった糖鎖プロファイルを与えることが分かった。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Sugar-binding activity of the MRH domain in the ER α-glucosidase II β subunitis important for efficient glucose trimming2009
Author(s)
Hu Dan, Yukiko Kamiya, Kiichiro Totani, Daiki Kamiya, Norihito Kawasaki, Daisuke Yamaguchi, Ichiro Matsuo, Naoki Matsumoto, Yukishige Ito, Koichi Kato, Kazuo Yamamoto
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Journal Title
Glycobiology 19
Pages: 1127-1135
Peer Reviewed
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