2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNAの電気伝導性と構造揺らぎに関する理論的研究
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
21107529
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
吉田 紀生 Institute for Molecular Science, 理論・計算分子科学研究領域, 助教 (10390650)
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Keywords | 3D-RISM-SCF / DNA / 電気伝導 / 正孔移動 / 構造揺らぎ |
Research Abstract |
平成21年度は溶媒和した大規模分子の電子状態理論であるQM/MM/RISM理論の導出と計算アルゴリズムの開発、プログラムの開発を行い、DNAのインターカレーションの解析を行った。DNAのインターカレーションはDNAの光誘起電子移動反応の初期過程として重要であり、今後DNAの電気伝導を解析する上で重要な試金石になる。本研究ではDNAインターカレーターとして知られるアクリジン誘導体の一つ、プロフラビンのDNAシークェンス選択性とそのメカニズムについて検討を行った。また、これまでは明らかになっていなかった溶媒の働きについて分子論的な解釈を与えることに成功した。本研究でQM/MM/RISM理論の有効性が証明された。本研究は論文としてまとめられJournal of Molecular Liquid誌に投稿中である。 また、非平衡Green関数理論と上記のQM/MM/RISM理論を組み合わせた電気伝導理論についても、理論的な導出を行い、プログラムの開発に着手した。次年度はプログラム開発を終了させ、実際の応用に移る予定である。
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