2009 Fiscal Year Annual Research Report
球面型トリカルベン配位子の開発と高次π空間を有するメタロフラーレンの創発
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
21108507
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 潤司 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 助教 (90334242)
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Keywords | 合成化学 / 光物性 / 複合材料・物性 / ヘテロ-π共役分子 / ラジカル環化反応 / ヘテロール / スマネン |
Research Abstract |
トリヘテラスマネン合成を目標として、分子内ラジカル環化反応を基盤とした新規なホスホール骨格構築法の開発を検討した。種々の条件検討の結果、ビフェニル基を有する2級のホスフィンオキシドに空気存在下、トリエチルボランを作用させることによって収率よくジベンゾボスホールオキシドが得られることがわかった。本反応を活用することにより、これまで合成例がほとんどなかったラダー型ジベンゾホスホールオキシドおよびスルフィドの合成に成功し、ラダー型ジベンゾホスホールオキシドが有機蛍光材料として優れた蛍光特性を示すことを明らかにした。さらに、本反応を用いてトリホスファスマネンの合成を試みたところ、目的化合物は得られなかったものの、トリフェニレンの湾部に2つのホスホール環が縮環したトリフェニレノジホスホールオキシドの合成に成功した。 一方、トリフェニレンにヘテロールが縮環した化合物であるトリヘテラスマネン合成の別法としてトリフェニレンの湾部が6箇所リチオ化されたヘキサリチオ体経由の合成法を考案した。2,3,6,7,10,11-ヘキサエトキシトリフェニレンを出発原料として、TMEDA存在下、過剰量のn-BuLiを作用させたところ、効率よくヘキサリチオ体が発生することを見いだした。このヘキサリチオ体に、ジメチルジクロロシランを作用させたところ、トリシラスマネンが生成することがわかり、このヘキサリチオ体がトリヘテラスマネンのよい前駆体となることがわかった。続いてヘキサリチオ体にフェニルジクロロホスフィンを作用させ、引き続いて単体硫黄を作用させることで、トリホスマスマネントリオキシドの合成に成功した。このうちOs対称性を有する異性体については単離・構造解析に成功した。
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Research Products
(5 results)