2009 Fiscal Year Annual Research Report
四重N-混乱オクタフィリンの合成と機能
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
21108518
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古田 弘幸 Kyushu University, 工学研究院, 教授 (40244157)
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Keywords | ポルフィリン / 混乱ポルフィリン / オクタフィリン |
Research Abstract |
1) 任意の位置に任意の数の混乱ピロールを配置した多重N-混乱ポルフィリノイドを合成する目的で、中間体となる、ピロール二量体(ジピロメタン)、三量体(トリピラン)、四量体(ビラン)、五量体を合成した。特に、立体障害の大きなトリイソプロピルシリル(Tips)基でピロール窒素を保護して、α-位の反応性を下げたモノピロールを活用してアシル化とカップリングにより、10数種類に及ぶ混乱型オリゴピロール化合物の効率的な合成に成功した。 2) 四重N-混乱オクタフィリン合成の前段階として、多重混乱ヘキサフィリンの合成を行い、金属錯化の際に起こる混乱ピロールのオキソ化の反応性を検討した。その結果、混乱ピロールの数が増すにつれ、酸化が容易に進行することが明らかとなった。 3) 計算化学を用いて、種々の混乱型オクタフィリンについて構造最適化を試みたところ、二重N-混乱型では、8の字型構造が安定であるのに対して、2種類の混乱位置の異なる四重N-混乱オクタフィリンでは正四角形、長方形の平面型構造を取り得る事が判明した。[4+4]型の環化条件では反応がうまく進行しなく、オリゴマー形成に留まる事が明らかとなったので、二重N-混乱オクタフィリンの合成に用いた[5+3]型の環化条件を適用した。その結果、四重N-混乱オクタフィリン骨格は合成は各にオンされたが、質量分析の結果、オキソ化が逐次的に進行した化合物が安定に得られて来ることが明らかとなった。
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