2009 Fiscal Year Annual Research Report
πナノ空間に束縛された分子の光機能の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
21108523
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
柳 和宏 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 准教授 (30415757)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 分子内包 / 金属型・半導体型分離 / 光物性 |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブ(SWCNT)は、グラフェンシートを丸めた直径1nm程度の円筒状物質である。SWCNT内部には様々な分子が内包可能であり、内包分子はSWCNTの物性に影響を与える為、分子内包手法はナノチューブの機能制御法の一つとして知られている。本研究は、内包された分子の光機能を解明し、その構造を光により制御し、SWCNTに光応答機能を付与することを最終目標とする。今年度は、まず第一に、SWCNT内部に束縛された分子を強励起可能な状況にする手法を確立した。次の3点の課題を達成した。(1)通常のSWCNT試料の場合、金属型・半導体型のSWCNTが混在することで可視域全体に色素を取り囲むナノチューブの光吸収が存在し、内包分子を高効率で励起できていなかった。今年度は、金属型・半導体型SWCNTをそれぞれ単離し、SWCNTの吸光係数の小さい領域(ここでは透明領域と呼ぶ)を創り出し、内包分子を強励起可能であることを明らかにし、その物性を明らかにした。(2)電気化学ドーピングを用いて、金属型・半導体型分離を行った薄膜の吸収構造を制御し、透明領域を更に拡張することに成功した。それに伴って、SWCNTの色の制御が可能であることを明らかにした。(3)従来までは、分子を内包したSWCNTを半金分離し、物性を明らかにしてきた。しかしその方法の場合、分散過程における超音波処理が内包分子の充填率の減少に繋がる可能性があった。その問題を解決する為、金属型・半導体型を分離したバッキーペーパー(紙状試料)を作製し、それに対して分子を内包する方法を行った。C60分子を内包する実験を行い、内包条件を検討し、同分子を内包することに成功した。
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