2009 Fiscal Year Annual Research Report
ドナー・アクセプター性を併せ持つ有機分子の新物性の獲得
Publicly Offered Research
Project Area | New Frontier in Materials Science Opened by Molecular Degrees of Freedom |
Project/Area Number |
21110508
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 正 東京大学, 大学院・総合文化研究科, センター特任研究員 (50124219)
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Keywords | 両極性分子 / OFET / ダイオード特性 / 周波数依存性 / スピン分極ドナー |
Research Abstract |
研究成果の概要(和文):1.両極性分子を用いたOFETの伝達特性テトラシアノテトラチエノキノイド(TCT_4Q)を用いたボトムコンタクト型のFET素子は、両極性の伝達特性FETを示す。ゲート電圧20Vを跨ぐように、ソース、ドレイン電圧を40V,0Vに設定し、100Kに冷却した後、ゲート電圧を開放すると、ドレイン電極付近に正孔が、ソース電極付近には電子が注入され、PN接合が形成される。この状態にあるOFETのソースドレイン間に、±20Vの三角交流電圧(f=5mHz)を印加したところ、明確な整流特性を示し、ダイオードとして作動することを確認した。また、SiO_2表面をオクタデシルシリル基で修飾した基板を用いてOFETを作製したところ、ゲート電圧印加による閾値電圧のシフトおよびダイオード特性が確認されたことより、この現象は、薄膜内部でのキャリアに由来することが確認された。[H21繰越分]一方、高い移動度を示すベンゾポルフィリンを用いたOFETの280KでのI_<SD>の低下は10%にとどまっていた。そこでメソ位にフロロ基を導入した誘導体を合成し、伝達特性を測定したが、閾電圧は負の側にシフトすることは認められるものの、両極性を示すには至らなかった。[H21繰越分] 2.スピン分極ドナーラジカルによる磁性導電性連動系の構築電場および磁場で有機分子薄膜の導電性を制御しうるOFETを実現するには、導電性を示しかつその導電性を磁場で制御しうる有機物質を構築する必要がある。テトラセレナフルバレン骨格を有するスピン分極ドナーTSBNのイオンラジカル塩を電解結晶化法により調製し、この塩が低温域で巨大負性磁気抵抗を示すことを確認した(-55%、5T,5K)。
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Research Products
(7 results)