2009 Fiscal Year Annual Research Report
4f-3d-2pヘテロスピン系の交換相互作用を利用した電子物性材料の創出
Publicly Offered Research
Project Area | New Frontier in Materials Science Opened by Molecular Degrees of Freedom |
Project/Area Number |
21110513
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
石田 尚行 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (00232306)
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Keywords | 分子性磁性体 / 集積型金属錯体 / 超分子科学 / 単分子磁石 / 磁性電導体 / ホストゲスト錯体 / 液晶 / スピンクロスオーバー |
Research Abstract |
電導性、磁性、光特性を複合的に兼ね備えた物質群は、スイッチ、メモリー、演算素子、表示材料などさまざまな分野で活躍すると考えられる。分子性物質が、その多様性、加工性、軽量性、柔軟性など従前の無機物質にない特性をもつことから、分子性磁性材料開発においては従来の無機材料とは異なる方向性を目指すべきである。本研究では具体的にはハイブリッド分子性磁性体を中心に複合機能の開発を進めた。 1. 機能性低次元磁石:ラジカル-コバルト系単一次元鎖磁石からバルクの磁性との共存の見られる系が見つかり、これまでの世界最高の保磁力をさらに更新する程度の「硬い」磁性材料を開発した。まだ、既に[Co(hfac)_2(BPNN)]では行なわれていたが、今回新たに、[Co(hfac)_2(HNN)]のμSR(ミュオンスピン回転・緩和)を測定し、低次元構造を有するにもかかわらず長距離秩序状態を示すことを明らかにした。 2. 分子包接誘起磁性体、磁気検出型イオンセンサー:天然のアミノ酸にラジカル置換基を導入して、金属イオンとのキレート形成能を評価し、強いπ-d間の磁気的カップリングを認めた。また、人工的なラジカル置換のホスト・配位子分子を構築した。ビラジカルの磁性を超分子化学手法により制御した。 3. 単分子磁石・単鎖磁石:いくつかの4f-3d系単分子磁石を合成開発し、高周波ESRを用いて4f-3d間交換相互作用を決定した。題材として、[LnCu][LnV]、などを利用した。特に[Ln_2Cu_2]_nの系において相互作用定数と4fスピン数とのあいだに強い相関がありことがわかった。
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Research Products
(35 results)