2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子ナノシステムの組織的動態解明を目指す超多価プローブの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
21111521
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
山口 健太郎 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 教授 (50159208)
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Keywords | 質量分析 / MSプローブ / 多価イオン / ESI-MS / CSI-MS / lantanide |
Research Abstract |
ペプチドや核酸等の生体高分子の質量分析は近年長足の進歩を呈しているが、複雑で分子量の大きなタンパク質のイオン化は依然として困難な場合が多い。本研究で開発している質量分析用多価イオン化プローブは、これらのイオン化に役立つ。本年度において、プローブの有機合成上の問題点を解決し、各種生体高分子化合物へのプローブ導入及び多価イオン化が可能となった。現在までに合成された各種プローブを用いてアミノ酸やペプチドの多価イオン化を行った。ペプチドとして数残基のポリペプチドからはじめて、当該プローブが1-3個導入された6価程度のイオンを容易に得られることがわかった。現在さらに、何価まで電荷を増やせるのかを検討中である。価数を増大することにより質量電荷比(m/z)の定義から、高分子を低分子領域で検出できるようになることから、利用価値が高い。さらに、当該プローブに同位体標識能を持たせるため、安定同位体をcharged siteに導入した。配位子であるpyboxのoxazoline環はアミノ酸由来のため、^<15>Nのアミノ酸を用いることで容易に導入できることがわかっている。現段階で一部の多価プローブへの導入に成功している。現在、合成された全てのプローブに同位体標識能を持たせるよう検討中である。また、金属によるシフト効果を持たせるため、La以外の金属の導入について検討した結果、数種類のlantanideの導入のめどが立った。特にTbを導入するとリガンド構造に特有の蛍光を発することを見出し、現在有機ELへの応用も視野に検討中である。
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