2009 Fiscal Year Annual Research Report
超分子モールディング
Publicly Offered Research
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
21111522
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
中西 尚志 National Institute for Materials Science, ナノ有機センター, 主任研究員 (40391221)
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Keywords | 自己組織化 / 超薄膜 / 超分子化学 / 表面・界面物性 / 構造転写 / 有機ラジカル / 三次元幾何学構造 |
Research Abstract |
三次元の組織構造を持つ超分子集合体の表面モルフォロジーを利用し、金属コーティング、鋳型の抜き取りによって、金属ナノ組織構造の創製を目指して研究を行った。特異な超分子組織構造の創製のために、三次元性のπ共役ヘッドグループを持つフラーレンもしくはポリクロロトリフェニル基を採用し、テイル部分として複数の長鎖アルキル基を導入した。これら誘導体は、溶媒条件によりフラワー状や表面にナノフレーク構造を持つマイクロ微粒子を形成する。フラーレン誘導体の分子組織化で得られた技術を有機ラジカル性分子のポリクロロトリフェニル系へ応用した。ここでは、π-π相互作用の他に、Cl-Clや(Cl)Ph-Phなどの複数の相互作用が生じ、分子溶媒和の度合いを巧みに制御することで、形状制御された分子組織体の構築が明らかとなった。 一方、フラーレン誘導体を素材とする超分子集合体創製では、1,4-ジオキサン溶液の加熱、冷却過程で得られる組織構造の利用の他、トルエン溶液の気-水界面からの異方性フィルム化に成功した。これら組織体を基板上へ写しとり、上方からの金属スパッタ蒸着、良溶媒による分子の除去(再利用可)によつて、金属ナノフレーク構造の創製を達成した。また、ナノフレーク金属表面に存在する微細な部分(ホットスポット)での表面プラズモン特性を利用して、ラマン活性分子の表面増強効果(SERS)を明らかにした。金、及び銀を金属とする系にて、SERS機能を検出することができた。今後は、電解による金属化、不均一触媒応答の評価ヘシフトする。
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