2009 Fiscal Year Annual Research Report
試験管内分子進化法によるテーラーメイド動的機能創発素子の創成
Publicly Offered Research
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
21111523
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 嘉浩 The Institute of Physical and Chemical Research, 伊藤ナノ医工学研究室, 主任研究員 (40192497)
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Keywords | 試験管内進化法 / アプタマー / アゾベンゼン / アプタザイム / ヘミン / ペルオキシダーゼ / 光応答性アプタマー / 進化分子工学 |
Research Abstract |
試験管内分子進化法では、生物の進化戦略を取り入れ、10の10乗以上のバリエーションを持つ分子ライブラリーから、標的分子に親和性を持つものを拾ってくるので、理論上任意の標的に対するアプタマーをテーラーメイドに取得することが可能である。これまでに、数多くのアプタマーが報告されており、それぞれの標的分子としては色素分子、抗生物質、各種補因子やタンパク質まで実に多岐にわたる。我々は、これまで非天然分子の進化分子工学への適用や、進化分子工学と合理的設計法の融合によるアプタマーの更なる機能化を行ってきた。 本研究では、「試験管内分子進化法によるテーラーメイド動的機能創発素子の創成」を目指して、核酸アプタマーの開発を行った。我々はまず、標的分子に結合するRNAアプタマーならびにDNAアプタマーの開発に取組んだ。標的分子としては重要な生理活性分子であるヘミンを選定し、ヘミンに結合するRNAアプタマーならびにDNAアプタマーを取得することに成功した。また、これらのアプタマーが、ヘミンと複合体を形成することでペルオキシダーゼ活性を示すことを見出し、アプタザイムとして機能することが分かった。次に、従来の試験管内分子進化法に人工スイッチ分子を取り入れた化学拡張進化分子工学により、動的機能創発が可能な光応答性アプタマーの開発に取組んだ。アゾベンゼンを担持したArpを酵素によりランダムに取り込んだ非天然RNAライブラリーを構築し、その中からヘミンに対して光応答性を示すRNAアプタマーのセレクションを行った。8ラウンドのセレクションサイクルを行った後、サブクローニング・配列解析を経て、得られた複数のRNAアプタマーから、ヘミンに光応答性を持つRNAアプタマーを取得することができた。
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Research Products
(1 results)