2009 Fiscal Year Annual Research Report
RNA結合タンパク質Khd1による時間的・空間的mRNA安定性制御機構
Publicly Offered Research
Project Area | Diversity and asymmetry achieved by RNA program |
Project/Area Number |
21112504
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
入江 賢児 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90232628)
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Keywords | 膜タンパク質 / mRNA / SRP / 翻訳 / RNA結合タンパク質 / Ccr-Not複合体 / 酵母 / 細胞壁 |
Research Abstract |
出芽酵母において、RNA結合タンパク質KhdlはASHI mRNAの局在とその局所的翻訳制御に関与する。私は、Khd1の解析の過程で、(1)Khd1はASH1 mRNAのみならず、膜タンパク質をコードするmRNAのコーディング領域内の(CNN)n繰り返し配列に結合すること、(2)Khd1はASH1 mRNAに対しては翻訳の抑制因子として働くが、別の標的mRNA、MTL1 mRNAに対してはそのmRNA安定性を正に制御すること、(3)Khd1がシグナル認識粒子(Signal recognition particle : SRP)のサブユニットSec65に結合すること、(4)Sec65とその相互作用因子Pop2(ポリA分解酵素)がMTL1 mRNAの不安定化に働くことなどを明らかにしてきた。これらの結果から、 (1)SRPサブユニットSec65がPop2ポリA分解酵素とともに特定のmRNAの分解に働くこと、 (2)RNA結合タンパク質Khd1はSec65と結合してその分解を阻害することにより、MTL1 mRNAを局所的に安定化する、というモデルを考えている。本研究では、これらの結果を検証するとともに、この制御の生理的意義、この制御の進化保存性を解明する。 本年度は、制御の生理的意義に着目して解析をすすめ、以下の結果を得た。 (1)khd1変異とccr4変異はsynthetic growth defect(合成増殖遅延)を示す。khd1変異株は野生型株とかわらない増殖を示すが、khd1 ccr4二重変異株は著しくその増殖が低下した。ccr4単独変異株は野生型株より増殖が悪いが、khd1 ccr4二重変異株の増殖低下はさらに顕著であった。CCR4遺伝子はCcr-Not転写複合体のサブユニットで、ポリA分解酵素の触媒サブユニットをコードする。 (2)khd1 ccr4二重変異株の細胞は、cell lysisを示していた。また、khd1 ccr4二重変異株では細胞壁合成が異常になっていた。 以上の結果から、Khd1がCcr4とオーバーラップした機能をもち、その機能は細胞壁合成の維持である可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)