2010 Fiscal Year Annual Research Report
RNA結合タンパク質による減数分裂特異的遺伝子発現パターンの形成機構
Publicly Offered Research
Project Area | Diversity and asymmetry achieved by RNA program |
Project/Area Number |
21112505
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 朗 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (30312276)
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Keywords | 発現制御 / 分子生物学 / 減数分裂 / RNA結合タンパク / 分裂酵母 |
Research Abstract |
減数分裂期には、体細胞分裂期とは大幅に異なる種類の遺伝子が発現している。体細胞分裂期と減数分裂期での遺伝子発現パターンの切り換えには、転写レベルの制御に加え、転写されたmRNAの選択的な除去による調節が大きく寄与している。本研究では、分裂酵母のRNA結合タンパク質Mmi1pが誘導する、体細胞分裂期での減数分裂特異的mRNAの除去機構を明らかにすることを目標としている。 これまでの解析で、Mmi1pが誘導するmRNA分解に、核exosome、poly(A)ポリメラーゼ、poly(A)結合タンパク質などが関与していることが明らかとなっていた。Mmi1pによる分解誘導に、標的mRNAのpoly(A)付加が必要であることを示した。また、これらMmi1p関連因子とMmi1pの局在、相互作用の依存関係を検討した結果、poly(A)結合タンパク質が、Mmi1pと核exosomeの相互作用に重要な役割を果たしていることが示唆された。Mmi1pが認識する標的mRNA中に6ベースからなる配列モチーフが高頻度に存在することを見出していた。この配列がMmi1pによる認識に必要なことをin vitroとin vivoで示した。さらに、この配列を複数コピー持たせることでMmi1pによる分解が誘導されることを示した。この配列モチーフの情報をもとに、分裂酵母のゲノムデータベースの検索を行い、新規のMmi1p標的遺伝子の同定を行った。その結果、Mmi1pの制御下にある複数の減数分裂関連遺伝子を見出した。
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