2009 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸配列の置換を生じるRNA編集の生理的意義の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Diversity and asymmetry achieved by RNA program |
Project/Area Number |
21112515
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河原 行郎 Osaka University, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (80542563)
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Keywords | 核酸 / RNA / 糖尿病 / 神経科学 / 細胞・組織 / 転写後修飾 |
Research Abstract |
本研究は、アミノ酸配列置換型RNA編集の更なる重要性を解明するため、ホルモン分泌に必須のCAPS1に生じるRNA編集をモデルとして選択し、生理的意義を解明することを目的として研究をスタートさせた。 1) CAPS1 RNA編集に必要な相補鎖を決定するため、下流イントロン中の2箇所に候補領域を絞った。これらの候補領域のRNAと組み換え編集酵素を用いてRNA編集アッセイを行い、編集部位から約1.5kb下流の領域がRNA編集に必須であることを決定した。また野生型マウスと編集酵素ADAR2ノックアウトマウスの各臓器における編集効率を比較し、脳ではADAR1とADAR2が協調して編集を触媒し、膵臓ではADAR1が責任酵素であることを決定した。 2) CAPS1細胞内局在部位へRNA編集が与える効果を解析するため、GFPなどのタグを結合させたCAPS1発現ベクターを作製した。この際未編集型と編集型を用意し、PC12細胞とMIN6細胞へ導入した。非刺激下では、両者の局在に差異がないことを確認した。今後、ホルモン分泌刺激を加えた後にCAPS1の局在がRNA編集によってどのように変化するのかを観察する。 3) CAPS1によるカテコラミン分泌へRNA編集が与える効果を解析すうため、PC12細胞中の内在性CAPS1の発現を抑制する必要がある。このため、CAPS1に対するshRNAを導入し、これを安定発現する細胞株を樹立した。今後、この細胞株へ未編集型と編集型CAPS1を導入し、カテコラミン分泌へRNA編集が与える効果の解析を行う。 4) ホルモン分泌におけるRNA編集の重要性を明らかにするため、ADAR1をノックアウトしたMIN6細胞の樹立を行うこととした。このため、Flox-ADAR1 mutantマウスをIT6マウスと交配中であり、樹立後インスリン分泌能を解析する予定。
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