2010 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸配列の置換を生じるRNA編集の生理的意義の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Diversity and asymmetry achieved by RNA program |
Project/Area Number |
21112515
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河原 行郎 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (80542563)
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Keywords | 核酸 / RNA / 糖尿病 / 神経科学 / 細胞・組織 / 転写後修飾 |
Research Abstract |
本研究は、アミノ酸配列置換型RNA編集の更なる重要性を解明するため、ホルモン分泌に必須のCAPS1に生じるRNA編集をモデルとして選択し、生理的意義を解明することを目的として研究をスタートさせた。前年度に、CAPSI RNA編集に必要な相補鎖配列と責任酵素を決定した。本年度は、以下の解析を行った。 1)CAPS1細胞内局在部位へRNA編集が与える効果を解析するため、GFPなどのタグを結合させたCAPS1発現ベクターを作製した。 この際未縦集型と編集型を用意し、PC12細胞とMIN6細胞へ導入した。共焦点顕微鏡で観察したところ、CAPS1は細胞質に局在し、非刺激下においても、Latrotoxinによる脱分極刺激を加えても、特に両者の局在に差異を認めないことを確認した。 2)CAPS1によるカテコラミン分泌へRNA編集が与える効果を解析するため、PC12細胞中の内在性CAPS1の発現を抑制する必要がある。このため、CAPS1に対するshRNAを導入し、これを安定発現する細胞株を樹立した。現在、この細胞株へ未編集型と編集型CAPS1を導入し、二重安定発現細胞株の樹立を目指している。 3)ホルモン分泌におけるRNA編集の重要性を明らかにするため、ADAR1をノックアウトしたMIN6細胞を樹立した。すなわち、Flox-ADAR1 mutantマウスをIT6マウスと交配し、インスリン分泌腫瘍を摘出、ここからMIN6細胞を樹立した。グルコース負荷に良好なインスリン分泌を呈することを確認した後、Cre rccommbinを組み込んだアデノウイルスベクターを感染させ、ADAR1をMIN6細胞からノックアウトした。90%程度のADAR1がノックアウトされたことを確認した。ノックアウトによる有意な細胞死や形態の変化は認めなかった。現在インスリン分泌能やRNA編集効率の変化などを解析中である。
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