2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウイロイドRNAの組織間トラフィッキングを可能にする多様な変異に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Diversity and asymmetry achieved by RNA program |
Project/Area Number |
21112524
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
PENMETCHA Kumar National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 生物機能工学研究部門, 主任研究員 (80357938)
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Keywords | ウイロイド / RNA / トラフィッキング / 変異体 |
Research Abstract |
ウイロイドは野菜、果樹や花き類などの作物に感染し、わい化や生育不良などの病徴を引き起こす。ウイロイドは塩基数が200~400程度の長さをもつ環状の一本鎖RNAのみで構成されている。我々は、これまでに、キクわい化ウイロイド(CSVd)のin vitro合成系を確立し、キクを宿主とするCSVdをこの系で合成し、他の宿主であるトマトに接種して1か月後、感染していること、変異があることを確認した。in vitroで合成したCSVdが感染性をもつことがわかったので、ウイロイド研究の次のステップとして、本課題においてCSVdを用いたトラフィッキング研究を開始した。ウイロイドのトラフィッキングに関わる部位の特定を行うために、ウイロイドにランダム変異を導入し、組織間トラフィッキングと変異部位との関係を明らかにする実験を行った。CSVdは354残基からなるので、6個のドメイン(A,B,C,D,E,F)に分け、各ドメインのループ部分に14~23塩基のランダム置換を行った。従って、理論的には一つのドメインで4^<14>~4^<23>(10^9~10^<14>に相当)種類の変異体がつくられるが、これらのPCR産物はNuSieveアガロース上で確認を行った。次に各ドメインの変異体を基に全長CSVdのPCR産物を作製し、NuSieveアガロース上で確認した。各ドメインに変異体をもつCSVd(計6サンプル)をそれぞれについて、キクに接種実験を終えたところである。今後は、4週間の後に、感染した上位にある葉よりRNAを抽出してRT-PCR、クローニングの後に塩基配列を決定し、接種葉から抽出した塩基配列と比較することにより、どのドメインがトラフィッキングに関与しているかを解析する予定である。
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