2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗原受容体のエンドサイトーシスとシグナル伝達の相互制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
21113526
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
北村 大介 Tokyo University of Science, 生命科学研究所, 教授 (70204914)
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Keywords | 免疫学 / 抗原受容体 / エンドサイトーシス / シグナル伝達 / B細胞 |
Research Abstract |
B細胞受容体(BCR)の1つIgMはIgα/Igβ依存的に細胞表面に発現し、抗原に架橋されるとIgα/IgβのITAM、チロシンキナーゼSyk、アダプター蛋白BLNKを介して種々のシグナル経路を活性化する。一方、架橋によるBCRのエンドサイトーシスの誘導・制御機構はほとんど分かっていない。BLNKに結合する4回膜貫通蛋白CMTM3はCMTM7等と分子ファミリーを形成しており、リンパ系骨髄系細胞に発現し、細胞膜、クラスリン被覆小胞、初期エンドソームに局在する。CMTM3とCMTM7は互いに結合し、また両者ともBLNKと結合した。CMTM3/7はIgM架橋によりIgMと共にエンドサイトーシスされたが、BLNKは細胞膜に残った。それぞれの発現が低下したB細胞株の解析から、CMTM3とCMTM7はそれぞれエンドサイトーシスを正と負に制御することが分かった。さらに、CMTM7はIgM架橋によるBLNKのリン酸化、ERK/JNKの活性化に必要であった。また、CMTM7はIgM架橋後に細胞表面のIgMと結合し、また、架橋後のBLNKとSykの結合にも必要であった。以上より、B細胞ではCMTM7が優位に働き、CMTM3,BLNK,IgMと複合してIgMエンドサイトーシスを制御する一方で、CMTM7はBLNKのIgMシグナロゾームへのリクルートとSykへのアクセスに必要であると思われる。さらに、ERKあるいはJNKの阻害剤の添加によりIgM架橋によるIgMのエンドサイトーシスが促進されたことから、CMTM7-BLNK-ERK/JNKというシグナル活性化によりIgMのエンドサイトーシスが抑制されていると考えられる。
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Research Products
(7 results)