2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞核の内部構造構築とダイナミクスにおけるアクチン関連タンパク質の機能解明
Publicly Offered Research
Project Area | The physicochemical field for genetic activities |
Project/Area Number |
21114503
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 昌彦 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 准教授 (70218642)
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Keywords | ゲノム機能制御 / 細胞核 / アクチン関連タンパク質 / クロマチン / 遺伝子発現 / 時空間制御 |
Research Abstract |
真核生物のゲノムが納められている細胞核は、高度に組織化・区画化されたダイナミックな構造体である。この各構造に基づくクロマチンの核内収納は、遺伝情報の発現制御・維持継承における重要な分子基盤であり、発生・分化・疾病などと関連した核内構造の変化が観察されている。このような細胞核の機能構造形成にかく膜構造が重要な役割を果たすことが知られているが、核内部構造の特定やその分子構築には不明な点が多い。我々は、これまでに細胞核に局在するアクチン関連タンパク質(actin-relatedprotein ; Arp)の存在を見出し、これらのArpが核内部の構造構築に関与する可能性を見出している。本研究は、核内Arpの核内部構造構築への関与を明らかにし、さらに細胞分化に伴う核のダイナミクス変化への核内Arpの関与を明らかにすることを目的としている。当該年度では、1)出芽酵母細胞核のクロマチン空間配置におけるArpの機能解析、2)培養細胞を用いた、核内部空間構築におけるArpの機能解析、を行なった。これらの解析の結果、出芽酵母Arp6が、クロマチンの核膜近傍への空間配置に関与することを明らかにした。特に、リボソームタンパク質遺伝子領域にArp6の特異的な結合が観察され、arp6欠損株では、リボソームタンパク質遺伝子の発現上昇と核内配置の変化が観察された。これらの結果は、Arp6が核内部の機能構造形成おいて新規な機能を担うタンパク質であることを示している。
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