2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムサイズクロマチンファイバーの単離と物性計測・高次構造解析
Publicly Offered Research
Project Area | The physicochemical field for genetic activities |
Project/Area Number |
21114507
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小穴 英廣 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20314172)
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Keywords | DNA / クロマチンファイバー / マイクロ流路 |
Research Abstract |
本研究課題においては、顕微鏡下で細胞から長大なクロマチンファイバーインタクトな状態で単離する技術を確立するとともに、ここで得られたクロマチンファイバーに対し、光ピンセットを用いた一分子操作技術を応用し、物性計測を行うことを目的としている。またAFMを用い、得られたクロマチンファイバーの微細構造を明らかにすると共に、クロマチンファイバーの持続長など物性に関する情報を得ることも目指している。 本年度は、蛍光顕微鏡下で細胞を基板上に固定し、ゲノムDNAを傷つけずに取り出し、溶媒環境を精度良く制御しながらクロマチンファイバーの形態観察を行う事ができる仕様のマイクロ流路チャンバーを作製し、このチャンバーを用いてクロマチンファイバーを単離する溶液条件を同定すると共に、溶液条件に依存してクロマチンファイバーの太さ(高次構造)が変化するかどうかを調べることを重点テーマとして取り組んだ。 マイクロ流路チャンバー試作については、ソフトリソグラフィーによりPDMSで形成した微細流路とカバーガラスを貼り合わせて作製した。このチャンバーは、個々の細胞を観察しながら周囲の溶液を交換できる仕様であり、分裂酵母スフェロプラストのバーストによるゲノムDNA単離、酵素類や界面活性剤の導入によるクロマチン構造の高次構造変化を蛍光顕微鏡下で直接行う事を実現した。 実験の結果、DNAクロマチンファイバーの解きほぐしには、実験に使用する細胞の細胞周期や、バーストさせてからの経過時間が非常に重要である事が明らかとなった。 詳細なメカニズムについては、今後も引き続き検討していく計画である。
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