2010 Fiscal Year Annual Research Report
染色体間ドメインの制御と核形態の定量的解析
Publicly Offered Research
Project Area | The physicochemical field for genetic activities |
Project/Area Number |
21114518
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
斉藤 典子 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (40398235)
|
Keywords | 細胞核内構造体 / RanBP2 / エピジェネティクス / 核スペックル / 選択的スプライシング / 組織幹細胞 / 核-細胞質間輸送 / SRタンパク質 |
Research Abstract |
細胞核内では、転写やRNAのプロセッシングなど生命活動に重要な事象が、複雑な制御を受けながら起こる。これを反映し、核内は高度に組織化され、染色体間領域には様々な核内構造体が存在する。しかし、その形成や制御機構は不明である。細胞の増殖・分化、疾患において、細胞核形態はダイナミックに変動し、同時に遺伝子発現プロファイルが変動する。がんを含む疾患では、特に核の形態変化が診断基準に使われる場合もあるものの、その分子機序は不明で、理解するためには、核形態の客観的な計測システムを確立することが極めて重要である。本研究課題では、画像解析技術の確立とともに、細胞核内構造の機能と形成メカニズムを解明し、細胞核の意義を理解することを目的とした。具体的内容は下記のとおりである。 1.siRNAスクリーニングによりRCC1-Ran-RanBP2の核-細胞質輸送システムが、細胞分裂後の核スペックル再構築に働くことを見出した。また、リン酸化型SRタンパク質の正常な核内斑状分布が、選択的スプライシングに重要であることを見出した。核内構造体の構築を介した遺伝子の発現が核-細胞質輸送システムにより制御される、という新たな概念を創出した。また、マウス個体において、核スペックルの形成が分化にしただって制御されていることを見出した。 2.細胞イメージのハイコンテント解析装置(イメージサイトメーター)を用いて、核スペックル、核膜、カハールボディ、染色体など核内構造体を自動認識させ、定量、評価する方法を確立した。細胞診断補助への応用を考慮しながら、がん細胞・組織幹細胞に応用し、それぞれを特徴づける形態を抽出した。 3.コンピュータ教育型の新規パターン認識プログラムを用いて、細胞形態の分類、定量化を行った。疾患組織画像などに応用し、イメージインフォーマティクスの確立に貢献した。
|
Research Products
(7 results)