2009 Fiscal Year Annual Research Report
MAPKリン酸化シグナルのイメージングによる線虫の環境応答行動の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Systems molecular ethology to understand the operating principle of the nervous system |
Project/Area Number |
21115507
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨田 太一郎 The University of Tokyo, 医科学研究所, 助教 (70396886)
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Keywords | ストレス / イメージング / FRET / キナーゼ / MAPK |
Research Abstract |
本研究は、生きた動物体内でのストレス応答MAPキナーゼ(以下MAPK)活性のリアルタイムイメージングを行うことにより、環境応答の行動を作り出す過程でMAPK分子がどのように機能しているのかを解明することを目的とする。そのために、まず、生きた動物体内でシグナルを可視化するためのFRETプローブの作成および改良を行った。まず、プローブのシグナル/ノイズ比をあげるために、代表者が過去に作成したMAP3K活性を可視化するプローブの蛍光タンパクを他の同じ色の蛍光タンパクと置換し、もっとも高感度のものを選別し、新たなMAP3K活性可視化プローブを作成した。また、MAP3Kの下流MAPK分子についても可視化プローブを新たに作成し、3種類の候補プローブを得ることに成功した。これらも同様の蛍光タンパクの置換を行って、高感度のプローブを得た。次に、これらのプローブを染色体外に持たせた線虫において、発現の有無、毒性の有無を検討した。そのために、細胞の表皮、感覚神経、運動神経などに発現させるプロモータを線虫ゲノムから回収、および、他の研究者からの譲渡により、得て、線虫体内の任意の場所で任意のプローブを発現させるベクターを作成した。このベクターを試験し、線虫体内の神経や腸管などで蛍光を観察できることを確認した。これまで生きた動物細胞でストレスキナーゼのシグナルを実時間に可視化した例は他にほぼ皆無であり、高感度のMAPKシグナルのプローブを確立したことで、動物体内でのシグナル検出を目指すための核となる基盤技術を得た。上記の成果の一部を論文に発表した(MCB2009, Tomida et. al)。
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Research Products
(2 results)